技術者研修
近年、世界的な情報通信技術(ICT)の発展により、世界の多くの病院が国際的な遠隔医療教育活動(遠隔医療カンファレンス)へ参加できるようになってきました。しかし一方で、多くの医療機関には遠隔医療教育を技術的に実現できるような専門のスタッフがなく、技術者や医師自身が担当者となって実施されていますが、これらの中にはテレビ会議システムの設営や操作に不慣れな者もおり、担当者間のスキルの差が課題となっています。
アジア遠隔医療開発センターでは、遠隔医療カンファレンスの品質改善および更なる発展のため、遠隔医療カンファレンスにおける技術担当者に向けた研修プログラムを提供し、世界各国の大学や病院より参加者を受け入れています。
APAN医療ワーキンググループ・短期研修プログラム(APAN-TET)
本プログラムは、遠隔医療カンファレンスにて技術的対応を行える現地担当者の育成を目的とした短期研修プログラムです。本プログラムは年2回開催されるアジア太平洋ネットワーク会議(APAN)医療ワーキンググループ内で行われ、参加者は期間中に実施される多様な領域の遠隔医療セッションの技術支援やワークショップを通じて、以下の内容について理解を深めます。
- 1. 遠隔医療カンファレンス開催までの流れ
- 2. 遠隔医療カンファレンスに適した映像音声品質
- 3. テレビ会議システム・映像音声機器の設営・操作
- 4. 技術的準備とチームワーク
- 5. トラブルシューティング
- 6. 医療コミュニティでの人的交流
- 場所
- APAN会議の現地会場(参照:https://apan.net/meetings/)
- 期間
- 約1か月の事前準備および約1週間の現地研修
- 参加
条件 -
- 1.APAN実施前のオンラインミーティングへの参加
- 2.アンケートへの回答
- 3.会場設営への参加
- 4.APANで行われる遠隔医療カンファレンスへの参加
- 5.エンジニアワークショップへの参加(司会/コメンテーター/発表者)
- 6.研修成果に関する写真付きレポートの提出
TEMDEC遠隔医療指導者養成・長期研修プログラム
本プログラムは、遠隔医療カンファレンスにて技術的準備の取りまとめを行えるチーフエンジニア、および、地域の遠隔医療を先導できるような人材育成を目的とした長期研修プログラムです。参加者はアジア遠隔医療開発センターにて約1か月間、当センタースタッフと共に実務を経験し、以下の内容について理解を深めます。
- 1. 遠隔医療カンファレンス開催までの流れ
- 2. 遠隔医療カンファレンスに適した映像音声品質
- 3. テレビ会議システム・映像音声機器の設営・操作
- 4. 技術的準備
- 5. トラブルシューティング
- 6. 多地点を接続した遠隔医療カンファレンスの調整・主導
ハンズオン研修の内容
項目 | 研修内容 |
---|---|
H.323 |
・一対一(P2P)接続 ・多地点接続 ・医療コンテンツの共有 ・多地点接続装置(MCU)の操作 |
Vidyo&Zoom |
・医療コンテンツの共有 ・録画とストリーミング ・H.323ゲートウェイ接続 ・会議管理 |
アノテーション |
・アノテーション ・JoinView |
見学 ※オプション |
・手術室 ・内視鏡シミュレーターシステム ・病院情報システム |
研修報告会のワークフロー
日程 | タスク |
---|---|
第1週 |
・チーエンジニアのワークフロー ・プログラムの概要 ・他のプログラムへの参加 |
第2週 |
・全参加施設への連絡 ・システム決定および接続情報の通知 ・各施設との個別テスト ・プログラムとMLの作成 |
第3週 |
・MLへのプログラムの周知 ・全施設とのテスト ・トラブルシューティング ・発表資料の事前収集 |
第4週 |
・研修報告会の実施
・資料共有 ・MCUの操作 ・発表 ・レポート提出 |
- 場所
- アジア遠隔医療開発センター
- 期間
- 約1か月
- 参加
条件 -
- 1.自施設との研修報告テレカンファレンスを主催および研修内容や日本での経験についての15分の発表
- 2.上記テレカンファレンスのチーフエンジニア
- 3.研修成果に関するレポートの提出
- 4.トレーニング前後のアンケートへの回答